ラジオを聴いていたら、
「転がれたま子」という映画の話をしていて、主演の女の子がゲストで出ていた。
その子が「たま子は、甘食(あましょく)が好きで」というと、ホスト役のタレントが、
「甘食ってなに?」
と聞いた。
え?と思った。
「甘食を知らない?」
「若い人は知らない人が多いみたいですけど」と、女の子は言った。だが、そのタレントは、40台のはずだ。
「甘食」は、全国区の定番の菓子パンだとずっと思っていた。
子どものころの菓子パンといえば、「ジャムパン」か「クリームパン」か「チョココロネ」、ちょっと高級感のある「メロンパン」、それにずっと安価な「甘食」くらいしか存在しなかった(まあ、田舎だったからかも知れないけれど)。
写真の通り、平べったい円すい形で、普通は平らな面を合わせて2つ一組で売られていた。なんとなく、おっぱいを思わせる姿だ。
薄甘い味で、口に入れるともこもことした食感。やたらに口の内側にはりつくので、なにか飲みながら食べた方が無事だ(牛乳につけながら、というのをおすすめする)。そして、少し苦味が残る。
甘食を知らない人がいる、というのはちょっとしたカルチャーショックだった。
で、慌てて掲示板やチャトで聞いてみると、けっこう知らないという人が多い。中には、同い年の旦那が知らなくてショックだったという人もいた。
どうも、この存在を知ってる知らないの差は、「年齢や地域」とはあまり関係ないように思える。
なにが原因なのだろうか?不思議だ。
あなたは。「甘食」を知っていますか?
※写真は、Y製菓の「ベビー甘食」。12個入って90円。1個7.5円。小ぶりとはいえ、やっぱり安価なおやつだ。
「甘食」の発祥は、上野にあった「永藤」というパン屋らしい。
その店の息子の友人が、その名前を文字って芸名にしたのだそうだ。歌手の藤山一郎である。