日本アニメの実写化作品の最低線が「デビルマン」、これを「D級ライン」とすると「C級ライン」はもちろん「CASSHERN/キャシャーン」。
さて、「ヤッターマン」は、何級になるのだろう?…「Y級」。というのは冗談として、まずまずの出来であった。
ちりばめられたギャグが、テンポの良い部分とちょっと間延びしたところがあって、ツボにはまったところは面白いのだが、苦笑に終わってしまうところもあって残念。
ただ、最近のアニメ版のように、きれいになりすぎて面白さが半減してしまう愚は避けられていて、タツノコプロ特有の泥臭い味がそのまま再現されていたのは嬉しかった。
ヤッターマンの主役は、もちろんヤッターマン1号、2号なのだが、実質的な主人公はドロンジョだと思っている。
そのドロンジョを深田恭子にしてしまったのはどうなのか?
確かに、この作品の中の彼女は、色っぽさとかわいさがよく溶け合っていて、それほど悪くはない。
だが、彼女がドロンジョか?と考えると、やはり違う気がする。ドロンジョの持っているエキセントリックな部分と、根っからのお笑い魂は、彼女にはない。
深田恭子は、もともと複雑な感情表現が出来るような女優ではないので(おいおい、それって女優としちゃ致命的ではないのか?)、素材として使い方を間違えなければ面白いキャラクターになるのだが、ここでは、ちょっとかわいく描かれすぎてしまったようだ。
と、少しばかり不満はあるものの、脇を固める面々が良い味を出してくれているので、「限りないアホくささ」を堪能する分には楽しい映画ではある。
※ボヤッキーの生瀬勝久とトンズラーのケンドーコバヤシも良かったが、若手の岡本杏里(海江田博士の娘役)が捨て身のお笑いを見せてくれて、これからが楽しみだ。
パンフの解説に精神科医が、阿部サダヲの海江田博士を「ヘルレイザー」へのオマージュではないか、と見当外れなことを書いているが、どう見ても「インディー・ジョーンズ」だろう。