美空ひばりと私
今日は、美空ひばりの命日だった。
若いころは、正直言って、歌いながら「どうよ〜この歌の上手さ」と言っているような彼女が大嫌いだった。
彼女の歌手としての面白さ(ジャズなどを含めた)がわかってきたのは、かなり後年になってからである。
そんな美空ひばりと私の、接点ともいえない接点。
昔、美空ひばりが、地元の学校の体育館で歌謡ショーをやったことがあった(今では考えられないかも知れないが、昔はそう珍しいことでも無かった)。
私は、ふたつかみっつくらい。
もちろん、自分の意思で見にいったわけではない。
母に連れられて、ショーを見ていた(?)私は、それにも飽きて体育館の中をうろついて、何を思ったか壁の下にあけられた、掃除用の掃き出し口に取り付けられた格子のあいだから首を出して外をのぞいたのだ。
で、首を抜こうとすると……抜けない!
私は泣きだし、首が抜けるまで、母はたいそう困った…という話を大人になってから聞いた(本人が覚えてるわけもない…一緒にやっていた「脱線トリオ」のコントの方は、何となく覚えているのだが)。
そんなわけで、あの時泣いてあなたのショーのじゃまをしたのは私です。
失礼いたしました。
(合掌)