夕べ、やけに消防車の走り回る音がしていたので、どこかで大きな火が出たのかなあと思っていたのだが、今朝になって
朝刊を見てびっくり。
「上田市立浦里小学校」が全焼してしまったらしい。
ロケ地マップの取材で訪れたり、昨年のフィルムコミッションのロケ地ツアーでも案内して回ったところなので、かなりショックである。
そのうちの1棟は大正時代の建物で、校舎全体も
様々なロケに使われてきた。
最近の映画だと「スパイ・ゾルゲ」、「私は貝になりたい」や「ゼロの焦点」。
この廊下で、「私は貝になりたい」の中居正広がビンタを食らっていた。
「宮沢賢治 その愛」では、花巻農学校に。
神山征二郎監督は、ここがお気に入りで、様々な作品で使っている。
テレビでは、あの「南極大陸」で、綾瀬はるかが先生をしていた小学校がここである。
明治19年に前身である浦野学校が新設され新校舎の玄関に掲げられた校額(幕末の三筆、山岡鐵舟(てっしゅう)の揮毫)。
「理由」をはじめ、上田で撮られた大林宣彦作品の多くにもこの小学校が登場していた。
ロケに訪れたスタッフやキャストのサインもたくさん飾られていたのだがこれらも焼けてしまったのだろうか…。
今は亡きスーちゃんのサインも。
単に、古い木造校舎が焼失した、というだけでなく、文化遺産にして貴重なロケ地がまたひとつ失われてしまった。
かなり老朽化が進んでいて、危ないところもあったのだが、火災で消失してしまうというのは、何ともやりきれない。
時間が磨いた風景というものは、いくらがんばっても、やはり本物にはかなわないのだ。
昨年の
「丸山邸」に続いてしまった。
無念。
夜の火災だったので、校内で出会った、礼儀正しい子どもたちには被害がなかったのが幸いと言えば幸いだが…。
大切にしていた学校が無くなってしまった子どもたちは、ショックだろうなあ。