よく、日本人は信仰心が薄いといわれるが、薄いのは「信仰心」ではなく「宗教心」ではないかと思う。
いや、より正確に言えば「宗教団体心」か。
町中にある小さなお稲荷さんや、ちょっと出かけた先のお寺や神社にお参りするのはやぶさかではないが、宗教団体の勧誘などが玄関先に立つと、お相手するのも面倒だなあと思ってしまう心理状態だ。
西欧系の大手の古い宗教団体は、「一神教」こそが真の宗教であると主張するわけだが、日本人のほとんどは「原始アニミズム」的な宗教感覚しか持っていたないだろう。
砂漠の中のぎりぎりの「対峙すべき自然」の環境で育った神様と、あり余るほどの自然に包まれ、ありとあらゆる生命に不思議を見てしまう神様では、折り合いをつけるのもむずかしいだろう。
誰がどんな神様を信じようと構わないが、それを他人に押し付けることだけはまっぴらごめんだ。
戦争の多くが宗教問題から起きていることを考えると、何のための神様なのか?と疑問は増すばかりだしね。
(だいいち、一神教を奉ずる人々が、多紳教徒をいちだんと低くみるような態度は、考えてみれば、何の根拠もないものだと思うが…)