どんな大義名分があろうとも、どうきれいごとに言い繕おうとも、畢竟戦争とは「殺しあい」に他ならない。
そして、その殺しあいは、身もふたもないものである。
スピルバーグの「プライベート・ライアン」は最初の20分くらいでそれを徹底的にやってみせたわけだが、クリント・イーストウッドは、スピルバーグのように派手派手しさは付け加えていないものの、全編を通して淡々とその身もふたもなさを描きだしてゆく。
本当の英雄は、何も語らない。何故なら、彼等は死んでいるから…。いや、戦争に英雄などというものはいないのだと、この映画は鋭くえぐり出してみせている。
詳しい感想は、対になっている
「硫黄島からの手紙」を見てから。