2009.1.30の1
第六日である。
部屋で、簡単に朝食を済ませる。
わたしにとっては、この旅の最大の目的地である「ホビット庄」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の中に出てきたホビットの村のロケ地)へと向かう。
オークランドからは、車で2時間ほどである。
今回の旅行社のツアーメニューの中には、何故かホビット庄は含まれておらず(実は、現地の方にはちゃんとあったらしいが、日本ではメニューに載せていない。人気がなくなってきてうまみがないということか)、個人の現地ガイドを頼んだ。
ガイドさんは、ニュージーランドに住んで20年という日本人のおじさん。もと旅行代理店勤務で、今は個人TAXIをやりながらガイドをしているそうな。
ホビット庄と土ボタルを一緒に回るルート(裏道)を見つけて、ツアーメニューにしたのはこの人らしい。
休憩場所から見えた煙突は、ニュージーランドでは数少ない火力発電所。近くに炭坑があるからだとのこと。
ニュージーランドの電力の多くは水力発電から得られていて、新規の火力発電は凍結されているようだ。
日本の道路からみると、ニュージーランドの道路はかなり安上がりらしい。日本の道路は、道そのものより道路の脇の部分に相当な金が使われているからだ。そういわれて見ると、こちらの道路はアスファルトの打ちっ放しだけで、路側帯は草が生えているだけである。
通り過ぎる小さな町は大体こんな雰囲気。
ホビット庄ツアーの出発点、マタマタの町に到着。
ツアーの案内所。土産物はあるにはあるが、著作権の関係で、グッズらしきものはほとんどない。
カフェでお昼を食べてから、この車に乗り換えて出発。(一見きれいだが、窓は例によってほこりだらけ。車中から写真も撮れない…)
ホビット庄のある牧場への入口。ここから更に15分くらいかかる。この広い牧場を兄弟ふたりでやっているとのこと。
この辺り一帯が、ホビットの村として使われた。この道は、村に入ってきたガンダルフに子どもたちが花火をせがんだところ。
あちこちに、撮影当時の写真のパネルが立てられている。
この橋が架けられていたのは、
この辺り。
パネルの裏に、橋に使われていた「石」のひとつが。
映画の画面では本物にしか見えないが、板で組んだ橋に発泡スチロールの石が貼り付けられていたのだ。
この橋、人やものが渡る予定ではなかったそうだが、ある日牧場主が車で渡ってしまい、しかも大丈夫だったことから、ガンダルフの馬車が渡るシーンが撮影されたのだそうな。
ビルボが、誕生祝いのパーティーでスピーチをした木の下の広場。
ホビットたちの家。
映画だと、もっと平らなところに点在している印象だったが、こんな小高い丘の斜面に作られている。家の前の道はかなり狭いもので、よく馬車を通したなという感じだ。
ビルボからフロドに譲られた家。
やはり、スチロール製の擬装はすっかりはぎ取られ、壁と屋根だけしか残っていないが、雰囲気はわかる。
家の内部はスタジオ撮影だが、サムがガンダルフに引き込まれるシーンのために、内部にも入れるようになっている。
「ロード・オブ・ザ・リング」のロケは、ニュージーランドの各地で行われたわけだが、著作権の関係で、撮影当時に作られたものは総て取り壊されて元通りの風景に戻ってしまっている。
このホビット庄も、壊される予定で、橋もなくなり、幾つかの家は元の牧草地に戻っているが、何故か、大部分はまだ家の形が残っている。
復旧作業が始まってから、大雨が降って作業が中断されたのだが、実は、今も作業は「中断中(ということになっている)」なのだ。
手入れは出来ないから、これらの家も何年か経てば、自然に壊れていくことだろう。
だから、やはり著作権の関係で、このツアー自体も、「ファーム見学(羊の毛刈りショー)のついでにロケの跡地を見学するのだ」という建前になっている。
今は、羊たちの村である。
牧場には、こんなものが置かれている。靴の裏を掃除するためのブラシだ。
何を掃除するのかというと、こちら。
ニュージーランドは、ほとんどが牧場で出来ているから、その牧場の分だけこれらが落ちているということになる。ある意味「ウ○チーランド」かもしれない。だが、これが肥料となって、牧草がよく育つのだから、けして厄介者というわけではない。
この情けないひょろひょろした木は、マヌカの木。今、抗菌効果が高く、ピロリ菌にもいいというので人気のマヌカハニーは、この木の花から取れる蜂蜜である。
からだには良いらしいが、味は、蜂蜜としてはえらくまずい(当然、宣伝サイトには、まずいなどとはひとことも書いてないが…)。
紅茶などに入れて飲んでるひともいるようだが、加熱すると効能はがくんと落ちてしまうのであまり意味はないらしい。まあ、お試しになる方は、健康食品だと思って生でどうぞ。
トイレだけが、ホビットの家風に作られていた。著作権に引っかからないぎりぎりのところで勝負…。
羊の毛刈りは、昨日見てしまったのでパスして、次の目的地へ。
つづく