12月5日(土)
世間の人がすなる「はとバス旅行」なるものをしてみんとてすなり。
というわけで、いつもは温泉辺りが相場の仲間の旅行、たまにははとバスなんてのもいいんじゃないかということになった。
行きは高速バスで、3時間半ほどの行程。高速バスを利用したのははじめてだが、この程度の時間だったら、まずまずか。
都内に入ると、まだ銀杏の黄葉の盛りだった。上田の木々はすっかり裸になっているのに…。
はとバスの出発予定まで4時間くらいあるので、その間は自由時間。わたしは空模様を見ながら、何ヶ所か立てておいた予定の中から、本郷界隈の美術館などを巡りに(この時点では、まだ曇り空だった)。
御徒町の駅から、不忍の池の端を通って、まず「湯島天神」へ。
距離もあまり離れていない、お茶の水にある「湯島聖堂」と間違えやすいが、別のものなのでご注意を。
少し道を引き返して、東大の本郷キャンパスの周囲をぐるっと回る道に向かう。
東大の裏の細い道をたどって行くと、
「弥生美術館・竹久夢二美術館」がある。名前はふたつあるが、同じ建物である。
弥生美術館では「少女の友」展と「安野モヨコ展 レトロモダンな世界」を開催中。
竹久夢二美術館の方では「夢二装幀事始展」を開催していた。
入館料は900円。
「少女の友」でおなじみの高畠華宵、松本かつぢ、藤井千秋や中原淳一の作品が多数展示されている。確かに、今見ても「モダン」な少女たちのイラストが多い(まあ、好き嫌いは別にして)。
竹久夢二の描く女性は、どうも「胴体がない」というバランスの悪さが気になって(そこが魅力にもなっているのだが)あまり魅かれない。
むしろ、千代紙などのデザインの方が感性が光るものが感じられるので、元々画家よりもデザイナー向きの才能の方が秀でていた人なのかも知れない。
外に出ると、すっかり雨になっていた(天気予報はしっかり当たった。外れるのを期待してこちらに向かったのだが)。
さらに道をたどって、
「文京ふるさと歴史館」に向かう。
こちらでは、漫画雑誌の編集者、加藤謙一の業績を展示した「実録!"漫画少年" 誌」展をやっていた。
入館料は300円。文京区の施設だから、この入館料でこれだけの展示会が見られるのだな。税金は、こういうところに使ってこそ意味がある。
高畠華宵なども登場して、弥生美術館とは別の展示なのだが、雑誌関連とあって、どことなくリンクしていて面白い。
漫画雑誌や漫画家たちの軌跡が詳細に綴られていて、時間があればもっとゆっくり見たかった。
厚い資料集もなんと500円。普通の展示会だったら、1,000円以上は確実に取られる本になっている。
ますますふりがひどくなった雨の中を、東大の赤門を横目に見ながらお茶の水駅に向かって歩く。
が、なぜか着いたのは、水道橋の駅だった(どこかで曲がり方を間違えたらしい…)。
時間も迫ってきていたので、お茶の水方面はあきらめて、東京駅へと向かったのだった。
その2に続く