かんたんけいたいは、本当に簡単か?というお話。
我が母は、買い物などでよく外出するのだが、体調が急変したりしたら困るから「携帯電話を持て!」と、だんな(つまり我が父)からずっと言われていた。
「めんどうだ」
といって、今まで延ばし延ばしになっていたのだが、ついに携帯を購入。
といっても、プリペイドタイプである。普段、携帯で電話をする必要はまずないから、プリペイドで充分なのである。
かくいう私も、ほとんど家で仕事をしているため、プリペイドの携帯しか持ったことがないのだが…。
世の中の人は、けっこうプリペイド携帯の仕組みを知らない場合が多いようなので、簡単に説明すると…。
まず、プリペイド用の携帯を購入する(機種はそれほど多くないが、機能的には普通の携帯と変わりはない。母のものには、ちゃんとカメラもついている。私のは、昔のものなので、電話専用機タイプだが)。購入時、免許証などの身分証明書が必要。
登録してもらって、あとはプリペイドカードを買えばいいのである。
カードは、スクラッチ式になっていて、削るとカード登録用のナンバーが出てくるので、それを電話のガイダンスに従って入力すればいい(この通話は只なので、その通話にはナンバー登録前に携帯が使えるのである)。
1万円のカードを買うと、通話で使いきらない限り、1年間使えるので、一番得である(基本料というものはないので、1月1000円以下で携帯が持てるということだ)。
カードの期限(または通話代)が切れたら、3ヶ月以内に新しいカードのナンバーを登録すれば、その携帯はそのまま引き続き使える。
めったに携帯は使わないが、持っていた方が便利かな?という方にはお勧めである(ただし、くれぐれも犯罪には使わないように)。
さて、母の買ったのは、いわゆる「かんたんけいたい」というタイプである。
プッシュボタンの他に、独立したボタンが3つ付いていて、それに一番使う番号を登録しておけば、それを押すだけで、かけることができる。
まさに、お年寄り向けの機能である。
まあ、それくらいは使いこなせると思うのだが…あとは、せいぜい他の登録した番号を電話帳で探してかけられるようになれば御の字だろう。
その「簡単」であるはずの機能を使うのだって、実は年寄りには大変な難事業なのである。
そして、たいていの場合、カードの登録から、電話番号の登録から、基本的な使い方の説明から、諸々やらなくてはならないのは年寄り本人ではなくて、周りの若い衆であるはずだ。
「かんたんけいたい」でも、まだまだ複雑すぎる、と思うのは、何も年寄りだけではあるまい。